アブダラと空飛ぶ絨毯
ハウルの動く城シリーズの第二巻、という事になってはいるがハウルもソフィーもちっとも出てこない。
そういう意味ではキャラ萌えのみが目的のおねいさんがたにはおすすめしませんが、単純に読み物としてとっても面白く読めました。
ドタバタおとぎ話世界としては前作よりも好きです。
えーと千一夜物語で言えば、一つの死体がキリスト教徒とか(当然普通の登場人物は皆イスラム教徒)医者とかの間をたらい回しにされた後、関係者一同が全員自首しちゃう話的な「そうなっちゃうの?」感というか…ちょっと違うか。
主人公は夢見がちな南方の絨毯商人アブダラ。ちょっと赤毛のアン的に空想にふけったりもする熱血漢。やけに相手に対して美辞麗句を並び立てるところはかなりアラビアン・ナイト的。
ひょんな事から空飛ぶ絨毯を手に入れた彼が繰り広げる冒険譚。
…ということでハウルどころか動く城もインガリー王国さえ出てこない状態でスタートですよ。
状況や押しの強い相棒にふりまわされて右往左往するの主人公が楽しい。
畳みかけるようなハッピーエンドも可笑しくて良いです。
で、ソフィーは割と終盤になって出て来るんですが、ハウルやカルシファーが出てくるのは事件が解決した後…ってあー!
やられた!
ハウルの故郷と物語の舞台の関係とかは放置されたままなので、まだ続編は書くだろうなって気がするんですがこれで終わりかよぅ!
もっと読みたいよう。