Vガンダムを三日で全部見た

 無茶するなあ、って思っただろう。俺もそう思う(笑)
 
 というわけでバンダイチャンネルの3日間無料見放題キャンペーンを利用して機動戦士Vガンダム全51話を消化したのだった。
 まだやってるので、短めのシリーズとかだったらこれから見てみるのも有りなんじゃないでしょうか。ガオガイガーFINALとか。ビッグオーとか。(トップをねらえ!とか0083なんかは月額見放題には入ってないみたい)
 
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しかし…前にも書きましたが、面白いけどえげつねえ。
 最初のうちは主人公ウッソにもリガ・ミリティアの面々にも少年兵を使う事への抵抗感があったり、敵兵を殺すことに逡巡があって、コックピットを外す上に、核融合炉を破損させないような戦い方をしてるんですが、舞台が宇宙に移ってからはもう容赦なく爆発させまくり。
 かといってウッソがすさんできたわけでもなく(富野ガンダムの主人公としてはめずらしく)あくまで思いやりのあるいい子…なんだけど、それなのにずっと苛烈な状況に置かれてて不憫ですよ。手加減が僚機の負担になっていると感じていたのかもしれないし、宇宙戦に適応するのに必死でそこまで気が回わせなくなったのかもしれないし、単に制作側の負担を軽減するためかもしれません。
 
 それにしてもギャラクターのロボみたいな連結型巨大MAとか宇宙で一輪バイク乗り回すゲドラフとか、空飛べるのにタイヤ付いてる巨大戦艦とかネタとしか思えない珍妙な兵器が次々に出てくるのにシリアス、と言うより気が滅入る展開の連続。
 こんなん3日で見たら精神参っちゃうぜ。全く皆様にはお勧め出来ない見方。
 
 大した事ない金額なんだから月額見放題契約したらいいのに、と思われるかもしれないが、逆に期限区切ってあるから見るんでいつでも好きなだけ見れるとなったら多分毎日30分とか見ないんじゃないかな、という予感は大いにするんですよ。これが。
 
 …そういうわけでやっぱり富野監督は当時またガンダムをやらされることに大変不満を抱えていて屈折して居たと言うような話も聞きますが、凄惨な世界観で一応宇宙世紀と銘打っては居るものの、過去の作品から色んな意味で断絶してる世界観は視聴者にも分かりやすかったりします。
 ガンダムが量産されていて合体前に足パーツ撃破されちゃって、合体し直す、というような、富野氏の底意地の悪さで仕掛けた感じの情けない運用も逆にウッソのスペシャルな腕前を演出してたりして割といい方向に作用してるんですよね。正直上半身は最初から合体した状態で発進すればいいのに、とは思ったけど(笑)
 
 割とカテジナさんばかりが語りぐさになっている印象だったので、その辺は期待していたんですが、それよりも地ならしだとかエンジェルハイロウとかの薄ら寒い作戦が気持ち悪かったです。あまりザンスカール側の将兵の本音は分からないんですが、本気で環境保全のためにあの大量殺戮を仕掛けてたんですかねえ?
 また、ウッソやシャクティは地球の不法居住者だと序盤で言われるんですが、その辺は20話前後の総集編になってようやくナレーションでの解説が入る程度だし、汚染した地球、と言うのが視聴者に実感できるのはもう物語も終盤ににさしかかり白骨死体の積み上がった海岸で腐臭に不平をもらすスペースノイドの描写でようやく、というのはいかにもSF作品として駄目なカードの切り方だったと思いました。
 
 しかし少年の冒険物語としてはおおむね筋の通った作品で、僕はそういう面からこの作品を楽しんでいたんだろうと思われます。
 逆に言うと敵軍の得たいのしれなさ、というのはいわゆる「リアル」指向の視聴者にはこれはガンダムでは無い、という反応を引き起こしかねない要素なんですが(宗教テロと軍国主義の融合と考えるとそうでも内規がする)、一作目のガンダムだって何がリアルってSF考証でもなく、軍事組織の描写でもなく反抗期の少年の描写がリアルなのだ。
 
 多分初代ガンダムと同じく小説版読むと分かりやすい所もあろうかとは思いますが、さらに凄惨らしいのでやめとこう(笑)