神々の山嶺

神々の山嶺〈上〉 (集英社文庫)

神々の山嶺〈上〉 (集英社文庫)

マニアが高じて定職につけない男といえば思い出すのが神々の山嶺(かみがみのいただき)の主人公羽生丈二。

たしかこれいつだか正月にNHKでラジオドラマになってるのを聞いたんだった。

その後漫画にもなりました(BJで)

下巻の遭難中の羽生の手記は見せ場で、ドラマでの鬼気迫る演技も、本での高山病で漢字が書けなくなっていてひらがながちな文章も実に迫力がありました。

天性の登山の才能を持つものの、それしか考えられないので定職にも就かず、人当たりも悪い羽生と彼を追う山岳カメラマン深町の物語。

マニア将にかくのごとく在るべし!

…とは言いませんが、分厚い本を一気に読ませる文章力とストーリーは圧巻ですよ。

「俺は最初の1回以外、山が楽しいなんて思った事は無い」

とか言いながら山をやらずにいられないのが何とも…いや、マニアってそういうものだとはなんとなく思いますが。

アイゼンカラビナくらいの登山用語が解ればオッケーかな。