そうやって嫌なことから逃げ出すの？

＜これまでのあらすじ＞
何回同じ話を作り直せば気が済むんだよ、とか、エヴァって言えばオタクから金を絞るだけ搾り取れると思ったら大間違いだ！とか、正直鼻につきましたんで、序は観てないです。
今回はテレビシリーズと変わってきた、とか良かったとかの感想を聞いて興味を持ったので見に行ったのですが…
　
＜ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破＞
冒頭のシーンでかなり醒めた気分にさせられる。
俺戦闘シーンになるとテレビゲームみたいなポリゴンが出てくるアニメって苦手なんだよね。
それを抜きにしても、思わせぶりなセリフを吐くけど掘り下げて展開させる気のなさは相変わらずで、全然テレビシリズと変わらない思わせぶりなエヴァです。
　
それにしても…確かにテレビ版より熱血分が増量したシンジ君のヱヴァは、お前らこういうのが観たかったんだろう、と言う感じに描いてあるけど…たしかに十数年前にこれを観たら喜んで居たろうが、今となってはただただ気持ち悪い。
傷つきながら、怯えながら、それでもなんとかたどり着いた「おめでとう」やゲンドウ以外誰も幸せになってない様に見えた人類補完計画を完遂したシンジ君はスマートではないとは言え彼なりに頑張ってたどり着いたゴールで、何年も経って「やっぱあれは気に入らないから無し」は無いだろう、と思ってしまうわけです。
　
テレビ版を見たことの無かった人が初日の上映を見に行ったら上映終了後拍手が巻き起こって気持ち悪かった、と描いてるのをどこかで読みましたが、さもありなんと思います。
　

もっともこの辺はスタッフは自覚的にやってるとしか思えないのが２号機の額の宇宙戦艦ヤマトで、あのアニメも古代が特攻したり実は死んでいなかった沖田艦長が自爆したり、いろんなバージョンの映画がありましたなぁ。
　
夢の中でシンジが「嫌なことから目を反らして逃げ出すのね」と言われるシーンは今回の映画版でも残っていましたが…この映画そのものが旧作からの逃げにしか見えない…というかそういう「旧劇場版の後のやり直しの世界」でシンジ君の精神状態次第でいつでもどろどろに崩れてしまうとか、結局振り出しに戻るとかのオチでもちっとも驚きません。
もう映画館には続編は見に行きません。金曜ロードショーで見れるのを気長に待つよ。

いや、波動砲は撃たなかったけど。
Gディフェンサーネタは思いつかなかった。
　
面白いかつまらないかで言えば面白く観たけどすごくもにょもにょした感じが残る。
一言で言えばこのスタッフでヱヴァのやり直しではなく「エヴァみたいな新作」を作るわけにはいかなかったのか、てこと。