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ゴールデン・エイジ〈1〉幻覚のラビリンス (ハヤカワ文庫SF)

ゴールデン・エイジ〈1〉幻覚のラビリンス (ハヤカワ文庫SF)



SFの黄金期ってやっぱり米ソロケット競争時代なのかな?

あのころの未来像には夢があったよな。

21世紀だというのに車は透明チューブの中を飛んでないし、街行く人が全然全身タイツを着ていないなんてがっかりです。(笑)



そういう意味では本書も言葉で言うほどゴールデン・エイジって感じでは無いですが、ある日自分の記憶が編集されている事に気づき、失われた時間を求める主人公…という展開はある種、黄金パターンだとは言えるのかも。

主人公のことを除いても、色々作品世界の社会が抱える薄ら寒い状況はところどころで見受けられてそれを黄金の普遍時代、と形容する悪趣味さ。

本巻のクライマックスは主人公が法廷で追求を受ける割と絵面は地味なシーンでしたが、なかなかスリリングな駆け引きで読み応えありました。

遠隔地のコピーロボットに人格を移植して「代理人」を会議に派遣出来ちゃうような時代、人はどうやって自分がオリジナルの自分であると証明すれば良いのか?

そのあと軌道エレベーターを徒歩で降りるシーンはスケールがでかいのかセコいのかわからんw



ただ、読者はいきなり造語溢れる独特の世界観の中に放り出される事になるので、取っつきはお世辞にも良いとは言えない。

じっくり、かつ一気に読みたい本です。ちまちま少しづつ読み進めたけど(笑)



なんだかんだ言って、投げずに読みましたし続きの気になる作品でした。