視姦天国

「美少女」の現代史 (講談社現代新書)

「美少女」の現代史 (講談社現代新書)

割と外側から「萌え」という行為について語った本

「萌え」という造語が定義が曖昧なままなんとなく定着してしまった言葉である以上、遠回りなようでこの語が成立してくる時代の背景を追いかける方がこの言葉の正体に迫るには有効なのかもしれない。

海のトリトンから話が始まるんだが(笑)

外側、とは言ってもやっぱり話は女性からの疎外感というような方向に向かうのだけれども、

その疎外感が実は女性を神聖化してしまったオタク男子自身による自縄自縛なんだという大変ヲタ男子的に居心地の悪い分析がされてる。

結構説得力があった、というか自分に関してはそれを認めざるを得ない。

本当に居心地悪いのであんまり深く語りたくないよ、その辺は

ラムちゃんは露出度高いのにえっちな感じがあまりしないのはなんでか、と言う話が目から鱗だった。くらいにしとこう。

この話も結局、結論は居心地悪いんだが。



で、ガンダムエヴァを使って「男の子の生きにくさ」の話をするあたりはつい最近読んだ「萌える男」的な展開ですが、

その後エロゲの話も外側からやってくれるのがそのジャンルに乗れないおっさんにはありがたい。本田透氏はエロゲ大好きなのが当たり前、って前提で書いていてその辺本気で俺には分からないんだ。



インタラクティブ性、というのは毎晩のおかずとしての実用性の上でもストーリーを味わう上でも邪魔者でしかない上に価格を跳ね上げる要因としか思えないのね、

俺みたいな古い人間には。







で、結論として萌えに走る男ってのは女性を見る事を欲しながらも、女性に見られることに耐えられないので2次元に逃避した、って事でいいのかな。

(男子が思うところの)女性に対する思いやりを追求して2次ヲタになったはずが、持論と食い違う意見を突きつけられると平気で攻撃的になるよね、ってあたりの下りは人ごととして読む分には大変面白いが、救いのねえ話だこと。



まあその辺の生きにくさ、傷つきやすい心なんて、分かった上で知らないふりをして現実の人間関係を演じて見せるのがオトナだってことだろうが、もはや俺あたりの世代は規範とするべき大人像を見失ってるからねえ。

その辺の年上ってだけのコドモに「大人になれ」って言われたところで理解不能としか言えないよ。

ああせちがらい。